NEC Express5800シリーズ IPMI SoL設定

BMCを活用したNEC Express5800シリーズの管理・運用

NEC Express5800シリーズのプロダクトはIPMIバージョン2.0(Intelligent Platform Management Interface version 2.0)に対応したBMC(Baseboard Management Controller)を搭載しています。ネットワーク経由でオペレーティングシステムとは独立したプロダクトの状態監視、電源監視、コンソール利用などを実施できます。

BMC経由での管理ではBIOSの設定変更やコンソールとしての利用も可能であるため、データセンターでの利用など物理的にアクセスすることが難しい場面での管理に適しています。この機能を利用するには最初にネットワークの設定を実施する必要があるほか、必要に応じてユーザの追加またはデフォルトユーザのパスワードの変更を実施することが推奨されます。

NEC Express5800シリーズ IPMI SoL設定方法

IPMI SoL(Serial on LAN)を利用すればネットワーク経由でシリアルコンソール(COM2)の利用が可能です。BIOSの設定、ROM Utilityの設定、シングルユーザモードでの起動、ログインプロンプト経由でのログインなどの作業が可能です。データセンターなどいったんデプロイしたあとに物理的な接触が難しいケースで活用できます。

IPMI SoLの機能を利用するには、まず、「NEC Express5800シリーズ BMC設定方法」の説明を参考にBMCのネットワーム設定とユーザ設定を完了させます。

FreeBSDシステムを起動し/boot/loader.confファイルに次の設定を追加します※1。この設定でコンソールとシリアルコンソール(COM2)が利用できるようになります。

boot_multicons="YES"
console="comconsole,vidconsole"
comconsole_port="760"
comconsole_speed="19200"

通信速度には19200(単位はbps)を指定します。これ以外の通信速度でもIPMI SoLの動作は確認できていますが、仕様上サポートしている通信速度は19200のみとされています。BIOSおよびオペレーティングシステム側のシリアルの通信速度をすべて19200で設定します。

NEC Express5800シリーズのSoLはオペレーティングシステム側でCOM2がシリアルコンソールとして設定され、かつ、BIOS側でCOM2がコンソールリダイレクションの対象として設定されている場合にのみ機能します。COM1をシリアルコンソールとして使用している場合には使用できません。SoLを使用する場合には本ページの設定にしたがってオペレーティングシステムおよびBIOSの双方でCOM2をシリアルコンソールおよびコンソールリダイレクションの対象として設定してください。

なおコンソールは使用しないでシリアルコンソール(COM2)のみを利用する場合には、/boot/loader.confファイルに次の設定を追加します。

boot_serial="YES"
console="comconsole"
comconsole_port="760"
comconsole_speed="19200"

次に/etc/ttysファイルの次の行を変更します。

ttyu1	"/usr/libexec/getty std.9600"	dialup	off secure

次のように変更します。

ttyu1	"/usr/libexec/getty std.19200"	xterm	on  secure

システムを再起動します。BIOSが起動するタイミングでF2キーを押してBIOSの設定画面へ移行します。BIOSの設定画面が表示されるまでしばらく時間がかかります。

BIOS起動のタイミングでF2キーを押してBIOS設定の画面へ移行

AdvancedメニューからSerial Port Configurationを選択します。

AdvancedメニューからSerial Port Configurationを選択

BIOS Redirection Portsの項目をDisabledからSerial Port Bへ変更します。Serial Port Bの設定はそれぞれEnable、2F8h、IRQ 3になっていることを確認します。

BIOS Redirection Portsの項目をDisabledからSerial Port Bへ変更

最終的に次のような設定になります。

IPMI SoLを実行するためのBIOSの設定

注意して設定する必要があるのは次の項目です。

Serial Port B
Enabled
Serial B Base I/O
2F8h
Serial B Interrupt
IRQ 3
BIOS Redirection Port
Serial Port B
Terminal Type
VT100+
Baud Rate
19200
Data Bits
8
Parity
None
Stop Bits
1
Flow Control
Hardware RTS/CTS

F4キーを押して設定の保存とシステムの再起動を実行します。

F4キーを押して設定の保存とシステムの再起動

IPMItoolなどを使ってIPMI SoLを設定します。次のようにipmitool(1)コマンドを実行します。IPv4アドレスとユーザ、パスワードは設定したものに適宜置き換えてください※2

% ipmitool -I lanplus -H IPv4アドレス -U ユーザ -P パスワード \
sol set enabled true 2
% ipmitool -I lanplus -H IPv4アドレス -U ユーザ -P パスワード \
sol set volatile-bit-rate 19.2 2
% ipmitool -I lanplus -H IPv4アドレス -U ユーザ -P パスワード \
sol set non-volatile-bit-rate 19.2 2

ipmitool(8)で設定した内容を確認すると次のようになります。SoLが有効になっていること、通信速度が115.2kbpsになっていることを確かめてください。

% ipmitool -I lanplus -H IPv4アドレス -U ユーザ -P パスワード sol info 2
Set in progress                 : set-complete
Enabled                         : true
Force Encryption                : false
Force Authentication            : false
Privilege Level                 : USER
Character Accumulate Level (ms) : 60
Character Send Threshold        : 96
Retry Count                     : 7
Retry Interval (ms)             : 500
Volatile Bit Rate (kbps)        : 19.2
Non-Volatile Bit Rate (kbps)    : 19.2
Payload Channel                 : 2 (0x02)
Payload Port                    : 623
% 

次のようにipmitool(1)を実行することでIPMI SoLを利用できます。

% ipmitool -I lanplus -H IPv4アドレス -U ユーザ -P パスワード sol activate

IPMI SoLを利用すると次のようにログインプロンプトを表示させたり、シングルユーザモードでのシステムの起動、BIOS設定の変更などをネットワーク経由で実施できるようになります。

IPMItool SoL経由でログインプロンプトまで表示させたサンプル

IPMI SoL接続を解除するにはターミナルソフトウェアにおいて「~.」と入力します。うまく解除されない場合、いったんエンターキーを押してから「~.」と入力してください。

※1 検証済みバージョン:FreeBSD 10.0-RELEASE

※2 NEC Express5800シリーズのBMCでは2がデフォルトのチャンネルとして使われています。

last modified: 2018-05-16 14:05:16